紫陽花
エッセイ
紫陽花が雨に濡れていた。
おそらく庭であった場所になのだろう、咲いていた。
淡い色が寂しそうに見える。
おそらく庭…そう書いたのは、壁や門柱がそのままになっていながら、その土地にあるはずの家がなかったからだ。
まだ建物を壊したばかりなのだろう、均されていないのが土の波打ちから伝わって来る。
見てきたものがなくなるのは辛いことだ。
そこにあったものがなくなる、いなくなる、いつも目に入っていたものが消えることは、どこかせつない。
親しい人はもちろんのこと、建物であっても、自然のものでも、目の前から消えるのは寂しい。
それが自分の意思で壊すのでも辛いことなのに、抵抗することもできずなくなってしまうのはどんな想いだろう。
壁に囲まれた家があったであろう場所に、私は思い出を持たない。
ただ車窓に向けた視線がとらえただけだ。
他にも樹木があったような雰囲気はある、それだけ広い土地だった。
しかしその姿はない。
ただ季節だからなのか、紫陽花だけが壁のそばに残っていた。
その淡い色が、雨が、余計に寂しさを感じさせた。
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おそらく庭であった場所になのだろう、咲いていた。
淡い色が寂しそうに見える。
おそらく庭…そう書いたのは、壁や門柱がそのままになっていながら、その土地にあるはずの家がなかったからだ。
まだ建物を壊したばかりなのだろう、均されていないのが土の波打ちから伝わって来る。
見てきたものがなくなるのは辛いことだ。
そこにあったものがなくなる、いなくなる、いつも目に入っていたものが消えることは、どこかせつない。
親しい人はもちろんのこと、建物であっても、自然のものでも、目の前から消えるのは寂しい。
それが自分の意思で壊すのでも辛いことなのに、抵抗することもできずなくなってしまうのはどんな想いだろう。
壁に囲まれた家があったであろう場所に、私は思い出を持たない。
ただ車窓に向けた視線がとらえただけだ。
他にも樹木があったような雰囲気はある、それだけ広い土地だった。
しかしその姿はない。
ただ季節だからなのか、紫陽花だけが壁のそばに残っていた。
その淡い色が、雨が、余計に寂しさを感じさせた。
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