FC2ブログ

スポンサーサイト

スポンサー広告
-- /-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

せつない人

エッセイ
11 /05 2010
「しょうがないじゃん」
それが彼女の口癖だった。

まだ若いとき、彼女がその気のない男に口説かれていることを知った。
「どうすんだ?」
と聞くと、
「別に・・・友達としか思えないんだけど」
という彼女。
それが数ヵ月後、彼女はその男と付き合っていた。
「しょうがないじゃん・・・そんなにわたしを好きだって言うんだから」
しかしまたその数ヵ月後、彼女はその男と別れた。
振られたのは彼女の方。
「なんとか好きになろうと思ったんだけど・・・そういう気持ちになったかなぁと思ったんだけど・・・やりたかっただけなのかな」
と寂しそうに笑った。
「なんか腹立つより、そういう女に見られていたことが悲しいね」

彼女は不器用だった。
だから上手く立ち回ることなんて出来なくて、一生懸命に相手と向き合った。
ただ人を悪く思えない性格なのか、不誠実な気持ちも受け止めてしまう。

やがて彼女は結婚し、やはり一生懸命やっていた。
でもそれは長く続かなかった。
どこかに無理があったのだろう。
張りつめてた糸が切れてしまった。

ひとりになった彼女のところへ、学生時代の先輩が連絡してきた。
むしゃくしゃしていた彼女は酒の席に向かった。
そこでもやっぱり口説かれた。
彼女は苦しんでいる時のほうが魅力的になる。
「さすがに逃げたよ」
と笑っていた。
「まだそういう魅力があると思えばいいじゃん」
と言うと、
「相変わらず軽い女だって?」
「そういう意味じゃなくて」
「進歩がないね。いつまでもそんな女に見られて・・・でもしょうがないじゃん、これがわたしなんだから」
とため息をついた。
「だけど、つけ込めば抱ける女だと思われるのは悲しいね。ほんとはちゃんと好きになってもらいたいのに。好きな人で好きになってくれた人で、そう思ってもらえるのはうれしいけど、気持ちがこもってないのは寂しいだけだよ。それでも男は気持ちいいのかな?・・・ま、それが男かっ」
「オレも男だよ」
「そうだったね」
と笑った。
そして寂しそうに「しょうがないか」と少し小さな声でつぶやいた。

いつまで経ってもせつないひとだ。


blogram投票ボタン


にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・ポエムへ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ




   ↑↑↑
1日1回クリックしていただけると、喜びます。
よろしくお願いします
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

No title

胸に負った深い傷。不器用。孤独感。

胸に深い傷を負った「せつない人」をやさしく包み込んでくれる、
そんな人がきっと現れる。
そんな人がきっと既にそばにいる。


そう信じたい。

No title

そういう風に見られてしまう女性っているんですよね。
利用する男も悪いんですが・・・。
いい出会いがあれば、魅力はあるんですからね。

No title

ryouさんこんにちは。
ドラフトのショックが大きく(?)すっかりごぶさたしてしまいました。

軽くしか見られないのは、同じ女性としてすごく悲しいです。
自分の信念、考えをしっかり持てば、変わっていくんじゃないでしょうか?自分で「しょうがない」とあきらめてはいけません。もっと前向きに生きて欲しいと思います。

Re: No title

モデルがいるとしても、これは創作なので・・・^^;
ただこういう女性がいるのは事実。
男が悪いんでしょうがね・・・。

ryoukouno

紘野涼です。
「スワローズ観察日記R」の管理人
仕事はフリーランスでライターやプランナーなどその他もろもろという感じです。
こちらではメインブログ、仕事では書けないようなもの、これまで書き散らかしたものをまとめていこうを思っています。
当サイトに掲載されている文章は、紘野涼に著作権があります。
無断転用、掲載はご遠慮ください。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。